肥満外科治療とはBMI35以上、または32以上で深刻な合併症を持っている方を対象に行う外科的治療方法です。
全世界では毎年約20万例の手術が行われており、確実な肥満治療方法として広まっています。
腹腔鏡下手術による手術で食事の摂取量を低下させたり、栄養の吸収を阻害することで術後、徐々に体重を減少させ、それに伴い糖尿病や高血圧などの合併症を改善していきます。つまり、手術をしただけで減量するのではなく、手術後の食生活や生活習慣が結果にとても大きな影響を与えます。
欧米では手術の対象をBMI40以上、またはBMI35以上で合併のある人を対象としています。また、アジア太平洋肥満外科学会ではBMI37以上、またはBMI32以上で合併症のある人を対象にしています。この違いは種族による体質の違いから来ているもので、このアジア太平洋肥満外科学会にはアジア地区とオーストラリアなども含まれています。
私たちは日本人を対象とした基準として日本人の体質を十分に考慮したうえ、BMI35以上、または32以上で深刻な合併症を持っている方を対象と定めました。
胃バンディング術とは胃の上部にシリコーン製のバンドを腹腔鏡手術によって装着する手術です。
胃の上部をバンドで締めることによって、食事の摂取量を制限します。
バンドより上の部分の容量は30ml程度となり、少量の食事で満腹感を感じることができ、満腹感が持続するようにします。
このバンドはしめ具合の調節が可能で、術後、状態を見ながら医師が調節します。調節は皮下に埋め込まれているアクセスポートから注射で生理食塩水を注入し、バンドの内側を膨らませることでバンドを閉めたり緩めたりします。(下図)

胃穿孔が起こる可能性があります。
アクセスポートに不具合が出ることがあります。
個人によっては満腹感があまり感じられない場合があります。
術後の食事の仕方を間違えると吐き気や嘔吐が起きる場合があります。
無理に多量の食事をとった場合、バンドがずれてしまう可能性があります。
術死率は0.1〜0.5%程度と報告されています。


胃バイパス術とは胃の上部、30ml程度の部分で胃を切離し、直接空腸の途中につなげるバイパス手術です。食事の摂取量を減らし、同時に胃や十二指腸をバイパスすることで栄養の吸収率を低くします。切り離した胃はそのまま十二指腸を経て胆汁やす胃液・膵液が混入し、消化液として働きます。
少量の食事で満足し、満腹感が持続するほか、栄養分の吸収を阻害するため、より早い減量効果が期待されます。
術後は長期にわたっての食事指導などのフォローアップを必要とします。また、生活に運動を取り入れるなどの生活の改善も必要となります。

便秘になる可能性があります。
ガスが出やすくなる可能性があります。
食事に仕方によっては栄養不良となる可能性があるので、定期的なカウンセリングが必要です。
食事の補助としてサプリメントが必要な場合があります。
胆石ができる可能性があります。
胃腸の生理的な流れが変わるために消化性潰瘍になる可能性があります。
術死率は0.1〜0.5%程度と報告されています。
